那須塩原市(栃木県)

持続可能な観光の推進に向けて~木の俣園地条例の制定

直面した課題(ISSUES FACED)

那須塩原市は、栃木県北部に位置し、塩原温泉及び板室温泉の二つの趣の異なった温泉を有している。塩原温泉郷は開湯から1200年以上の歴史をもち、豊富な泉質が魅力である。古くから多くの文豪や華族が訪れ、また大正天皇の御用邸が建てられるなど歴史的な価値も高い。板室温泉は「下野の薬湯」と呼ばれ、1971年には国民保養温泉地の指定を受けるなど湯治に適した温泉として知られている。また、那須塩原市は、首都圏から2時間程度という立地条件ながらその大半が日光国立公園に位置し、自然型の観光地として首都圏を中心として人気を博している。中でも川底まで透き通る透明度を誇る清流が流れる「木の俣園地」は、昨今のアウトドアブームも相まって夏季には多くの観光客が訪れる人気スポットとなっている。一方、観光客の増加とともに駐車場の不足による渋滞やごみの投棄をはじめとした利用者のマナー低下による環境悪化などの問題が発生している。警察が出動する事態も多く、解決が求められていた。