阿蘇市(熊本県)
千年以上の昔から受け継がれてきた草原を持続的に保全・活用し、阿蘇の景観保全と観光資源の高付加価値化を目指す
阿蘇市の草原は日本最大の面積を誇り、約25,000もの人々と自然が受け継いできた文化遺産です。彼らは今危機にさらされています。過去5年間で草原は200ヘクタール以上減少し、農村コミュニティの活動や草食動物の放牧に不可欠な牧野も急速に減少しています。持続可能な観光を開発し支援する方法についての解決策を見つけるために地元の関係者を集め、GSTC 研修プログラムに基づいて持続可能なモデルが作成されました。中長期的な行動についてすべての関係者が合意できるように、草原の保全と活用に関するガイドラインが策定されました。
また、阿蘇独特の伝統文化「草泊」を活用したアクティビティが復活しました。「草泊」は100%生分解性の伝統的な茅製の東屋であり、策定されたガイドラインを厳格に遵守しており、現在では観光客によってうまく活用されています。また、環境に配慮した6つの宿泊施設をリニューアルし、長期滞在を促進しました。
さらに、マイカー削減を促すため、観光地では小型バスの運行も行われています。この持続可能なモデルは、人々と草原の間の象徴的な関係を強化し、草原を保護することの重要性に対する地元の関係者の認識を高め、持続可能性についての理解を深めました。観光客が滞在して草原の生活を体験することで得た料金の一部は、草原保全の資金に提供されます。